PHOTOGRAPHY MUSEUM

カメラ片手にさすらい一人旅
土日カメラマンToriの写真館

Photographer

プロフィール写真

Y.Toriyama.

世界中には、なんて大げさなことは言いたくない。そんなことを言わずとも、まだ身の回りに、きっとフィルムに残したい、誰かに見せてあげたい、そんな瞬間があるはず。そんな瞬間に出会える幸運と、その瞬間に一目惚れできる素敵な心を持てる人になりたい。

MORE

コラム

シャッターをきるとき、ふとおもったりすること

写真は旅情の添えもの

写真は旅情の添えもの

2017年8月16日

物持ちがいいというのか、貧乏性というのか分からないが、私のカメラはもう結構長く使っている。お手ごろな値段のデジタルカメラでありながら、かなりの望遠を使うことができるから鉄道写真の撮影なんかにずいぶん重宝している。ただ、もちろん最近徐々にポピュラーになりつつあるミラーレス一眼なんかのほうが、よりきめ細やかな写真が撮れるわけで、憧れが全くないといえば嘘になるけれども、私は今や型落ちの型落ちとなった愛用のデジタルカメラに何も不自由は感じてはいない。というのは、プロのようなうまい写真を撮ることにあきらめを感じているからでもあるが、私が文章による表現を好むゆえ、写真や映像は説明書きやナレーションの添え物にすぎない、と片意地を張っているからでもある。

ことばは巧い使い方をすれば、写真や映像の表現力をひょいと飛び越して、画面の解像度以上にこまやかな表現をすることができる。もちろん言葉ですべてを伝えるのは無理があるが、言葉を使えば、カメラのファインダーに入りきらなかった空の広さ、陽ざしのまぶしさ、蝉の声、ポートレートならそこに写ったその人の心の綾目まで、書いて残しておける。

写実派の絵描きたちが並んで写真の誕生を恐れたように、見たままの生の姿を描きだす写実芸術のてっぺんは取って代わられたような気がしたけれども、カメラは所詮、機械に過ぎない。思わず写真に収めたくなる情景に出くわしたとき、私たちはレンズを通して見ているのではない。いくつもの感性をつかってその風景にときめきを感じているのである。

私が写真に収めたいのは、ただ一瞬の美しい瞬間というよりも、その前後に続いている長いひとつづきの旅情である。あとでアルバムを見返したときに、いとおしく思えるような旅の思い出を残したいのである。

映像や写真のスライドショーは見ていて楽しいものではあるが、言葉がなければ旅情はおぼろである。思い出にとって、写真はほんの添えもので、ロマンティックな文章が色褪せない思い出を残してくれるのである。

 

※ここで紹介された写真はCanon Powershot SX500で撮影されました。

© 2017 YuukiToriyama All Rights Reserved.

  • 嵐山本線 帷子ノ辻
  • 北野線を往く列車
  • 嵐山ゆき 電車を待つホーム

バックナンバー

© 2012-2017 Tori's-Factory. All rights reserved.